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林業について…

林業作業は山林で行っていますので見る機会が少ないものだと思います。
もし見る機会があっても、何の作業を行っているのか、何のために作業しているのかよくわからないと思います。
 
「林業とはどんな仕事?」
「間伐と皆伐の違いとは?」
 
そんな林業に関することを簡単にご紹介したいと思います。
林業について少しでも興味とご理解いただければと思います。

林業は木材を生産する仕事です。

林業も苗を植えて、成熟したら収穫します
林業とは木材を生産する仕事です。
わかりやすく農業に置き換えてみます。
 
農業は田んぼや畑でお米や野菜を育て、それを収穫し販売することで生計を立てています。
林業は山で木を育てて、成熟したら伐って木材とし、販売することで生計を立てています。
 
また、森林の多面的機能は私達の生活の安定向上と経済の発展に寄与しており、伐採を制限し、適切に管理するなど森林の期待される働きを維持できるように森林整備、森林保全をすることも林業の大切な仕事です。

「人工林」と「天然林・原生林」

日本の国土面積の約3分の2は森林で覆われています。
日本は世界有数の森林国です。
日本の森林面積の約6割が天然林です
天然林とは伐採などで人の手が入っても自然の力によって更新している森林のことで、自力でどんどん成長していいます。
日本で「里山」と呼ばれている多くの森は天然林のことをさしています。
自然遺産の目的は生物多様性の本来的保全です
原生林とは、天然林の中でも全く人の手が入っていない、一度も伐採されたことのない森林のことです。
世界でも、多様な生物種が共存し、豊かな生態系が残っている原生林はごく一部しかありません。
日本の場合、屋久島、白神山地などの原生林が世界遺産の自然遺産として登録されています。
日本の森林面積の約4割が人工林です
人工林とは人間が苗木を植栽して育成した森林のことをいいます。
植木鉢で育てた植物は水やりや剪定など人手を入れないと枯れてしまいます。
人が植林して大きくなった森も最後まで手を入れて面倒を見なければ、いずれは荒れ果て森林機能を失ってしまいます。そのようなことにならないように下刈・間伐などを適切に行い、質の良い森林を育てていきます。
 

国有林と民有林(公有林・私有林)

どの森林にも必ず所有者がいます
国有林は、林野庁所管の森林管理局、森林管理署等が所有する森林です。国有林は奥地の脊梁山脈や水源地域に広く分布し、地域特有の景観や豊かな生態系を有する森林が多くあります。
また、森林の多面的機能を発展する上で重要な位置を占めています。
 
国有林は多様な森林を有していますので、民有林からの供給が難しい青森ヒバ、天然秋田杉、木曽ヒノキといった文化財等に必要な銘木を自然環境の保全に配慮しながら供給したりしています。
史跡や名勝等と一体となって文化的価値のある景観や渓谷など優れた自然が見られる歴史的風致を構成する役割もあります。
 
民有林は都道府県や市町村の所有する「公有林」と個人や企業が所有する「私有林」に分けられます。最近では業界を問わず企業の森づくり(社有林)も進んでいます。また、学校が保有している森林は学校林と呼ばれ、児童や生徒への環境に関する教育や体験活動が行われています。

人工林の育て方

1.地拵え(じごしらえ)
伐採後に植付をするために、伐採木や枝葉や残木を取り除き整地する作業です。
2.植付(うえつけ)
苗木を一定の間隔で植える作業です。鹿などに食べられないように保護カバーや獣害ネットを付けることもあります。
3.下刈(したがり)
植付した木より雑草のほうが成長が早く、雑草に養分や日光をとられ成長することができなくなってしまうため、植えた木を誤って刈らないよう注意しながら雑草木を刈払います。夏に行う作業です。
4.除伐(じょばつ)
下刈後、育成したい樹種の成長を妨げる他の樹種を伐る作業です。
刈終了後、目的樹種の枝葉が互いに接するころまで数回行います。
5.間伐(かんばつ)
樹木が生長し密集するとお互いの生育を妨げ、さらに日光が妨げられるため、下草が繁茂せず土壌が流失し森林が荒れてしまいます。これを防止するために、混み具合に応じて一部の木を伐採して成長促進と光環境を改善する重要な作業です。
間伐で伐採した木材資源は原木市場や合板工場や製材工場、チップ工場等に出荷します。
また、出荷できない太さの間伐材は林内に肥料として残します。道路からかなり奥へ入っていくような場所でも伐倒木を搬出できないのでこのような作業方法を行います。【切り捨て間伐】
地拵えを待つ皆伐跡地
6.皆伐(かいばつ)
皆伐は、対象とする森林のすべての木を一斉に伐倒し、造材、集材して木材を収穫する方法です。
人工造林地の拡大が進められるときには、伐採の方法としては皆伐が行われます。
これが終わるとまた1の工程に戻ります。

計画的な伐採は自然破壊とは違います。

森林の平準化による木材の安定供給
林業は基本的には木材の生産を目的としています。
木をいつまでも伐採・出荷しないのは、農業に置き換えると、育てた野菜をもったいないと収穫・出荷しないのと同じです。
また、10年、20年、30年・・・120年とさまざまな樹齢の木が均一に存在するようにしていくことで、安定な木材の供給ができるようになります。
そのためにも、ある程度の皆伐を行っていく必要があります。
森林も世代交代していきます
また、若い森林は成長していくごとにCO2の吸収量が上がっていきます。比べて成熟した森林、手入れのされていない荒れた森林は吸収能力が低下していきます。
このため、温暖化を防ぐ観点からもある程度のところで伐採し、植付を行い循環させていくことが必要になるのです。
以上のことから、計画的な伐採は決して自然破壊には繋がらないのです。
 
《参考資料》
林野庁 (2016)『平成28年版 森林・林業白書』 (一社)全国林業改良普及協会
(一社)日本治山治水協会 (2014) 『平成26年版 保安林のしおり』 (一社)全国林業改良普及協会
"森林・林業学習館",<http://www.shinrin-ringyou.com/ >2016年8月31日アクセス. 
 
 
 
北星林業株式会社
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